電話越しだった。 「あなたのことが好きなんですよ。 わかってたでしょう?」 屈辱と気持ち悪さで死ぬかと思った。 相手は私のゼミの教授。6◯歳妻子持ち。 大学の勉強とは別に読書の趣味が似てて、個人的にメールとか電話とかお茶をするようになった。 勿論自分から誘ったとかではなくあちらから。 けどそれは私からしたら、同じ趣味を持った人間同士の付き合いであって、祖父でもおかしくない年齢のジジイを異性として見たことは一度たりともない。 それなのにあっちは何を勘違いしたんだろう? やけに説教や昔話や自慢話が増えてきて、口調が甘えるみたいになってきたなと思ってたらこのザマだよ。ざけんな。 性別関係なく、誰かに恋を打ち明けるとき、今一度考えてみてほしい。 恋をするのは自由だけど、それを相手に伝える瞬間から責任が伴う。 それってつまり、私(俺)なんかにお前はふさわしいと思うから、もしよかったら私(俺)のこと、