平左衛門丸塀を復元予定の石垣。青いシートの下には、出土品の一部が保管されている=熊本城 【菊地洋行】熊本市が進める熊本城の復元整備計画が止まっている。文化庁がこれまでの市のやり方について、「調査研究の態勢が不十分で、史跡保護の視点に欠ける利活用がある」と厳しく批判しており、計画の進め方を根本的に見直すよう指示しているためだ。改善されない場合は、新たな復元を認めないという厳しい姿勢だ。 熊本城は石垣や櫓(やぐら)などの城郭が「熊本城跡」として国の特別史跡に指定されている。文化財保護法に基づき、特に歴史的、学術的な価値が高いと認められた城跡や古墳、庭園などで、金閣寺の庭園(京都)や平城宮跡(奈良)など全国で61件(4月25日現在)ある。復元や改修は、計画段階から文化庁と話し合って進められる。 市によると、第1期の復元整備計画では築城400年にあたる2007年度までに、本丸御殿大広間や南大