たとえば緑色のジュースがあったとしたら、日本人なら何味を期待するだろうか。緑茶の系統ではないとすれば、普通はメロン味ということになっている。日本ではソーダ水というと緑色でメロン味のものを指すことになっていたから、その影響だろうと思う。ソーダ水といえばメロンソーダという日本のこの決まりは何時から、どういうきっかけで始まったのか誰か教えてくれないだろうか。 めったに見かけないが、もしドイツで緑色のお菓子やジュースがあったら、もちろんメロン味ではない。緑色のグミは、酸味のある青リンゴ味である。ではジュースなら?それが、ヴァルトマイスター Waldmeisterという「ヤエムグラ属」の植物からとった香料の風味である。古くから香料として使われており、パンチ酒Bowleによく用いて、ヴァルトマイスター入りパンチのことを特にMaibowleと呼んだりする。 ヴァルトマイスターの風味はクマリンという成分に
![98 ドイツの香料―ヴァルトマイスター― | クラウン独和辞典 ―編集こぼれ話―(『クラウン独和辞典第4版』編修委員 石井 正人) | 三省堂 ことばのコラム](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/27348b443f1ccd4c6510a44ed8ccb2abe6851f3e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fdictionary.sanseido-publ.co.jp%2Fwordpress%2Fwp-content%2Fuploads%2Fogp.png)