昭和30(1955)年に作られた日本初の自動電気釜。タイムスイッチで希望の時間にご飯が炊ける二重釜間接炊き電気釜は、先端商品として人気を集め、最盛期には月産20万個を超えた。 日本人の主食であるご飯を釜で炊くことは、掃除、洗濯とともに主婦の逃れられない家事労働の一つであり、経験に基づいたノウハウによってご飯の出来栄えが左右されるものだった。タイムスイッチを使って希望の時間にご飯が炊ける電気釜の出現は、炊飯を単に自動の電気釜に変えただけでなく、主婦の家事労働に要する時間を短縮し、日本の生活様式にも大きな変化をもたらした。 近年、電気学会で産業遺産として認定された。