【若者を未来に向けて育てていくための奨学金制度,とくに日本学生支援機構のそれが「この国のための人材」を育成させるためにではなく,むざむざ半生殺し状態に追いこんでいる実情】 【低金利の時代にとって金融機関の貴重なお得意になっている「日本学生支援機構」,そして「貸与奨学金の受給者」との一方的な悪循環が栄えるこの日本国に未来はあるのか?】 ①「奨学金破産,延べ1.5万人 親族半数,連鎖招く 5年で」(『朝日新聞』2018年1月12日朝刊1面) 1)前論としての予備知識が必要 このニュースに接したとき唖然・呆然・失望した。あらためて日本というこの国において,安倍晋三政権はいったい,いつになったら自国の教育,それも高等教育体制のたいせつな一環である「奨学金の制度」をまともに整備できるというのか,より深刻に憂うほかなくなった。 アメリカの大学の授業料が非常に高額である点や,隣国の韓国が日本に似た事情に