1年延期になった東京五輪・パラリンピック開催に向け、政府、東京都、組織委員会は、追加予算や新型コロナウイルス対策などを発表しているが、組織委の複数の理事らが、開催へ慎重論を訴えていることが24日、分かった。この理事らは世界中での新型コロナ感染拡大の状況を踏まえ、「五輪を開くには状況が悪すぎる。不安と心配の方が大きく、国民の賛同が得られない」と厳しい見方を示した。 コロナ禍でも来夏の五輪開催準備が進む中、組織委内から慎重な意見が出てきた。ある理事は「このままでは五輪の最も大事なフェアプレーの精神を無視する形になってしまう」と指摘。コロナ禍で選手が練習できる国と、全くできない国の差が開いていることを危惧した。「選手がいくら努力しようとしても何もできない国もある。練習環境格差が生じてしまう。アンフェアーだ」と問題提起した。 国際オリンピック委員会(IOC)によると、まだ五輪出場枠の43%が固まっ