約35年前に中国は「一人っ子政策」を導入した。これは漢民族を中心に、1組の夫婦で子供の出産を1人しか認めないという「計画出産制度」である。 一人っ子政策が導入された背景には、それまでの毛沢東の時代の出産奨励政策によって人口が増えすぎたことがある。1970年代に入って人口圧力が強くなり、長年の政治闘争による食糧難も加わったため、出産を制限しなければ経済成長が難しくなったためである。 実際の一人っ子政策を見ると、都市部での実施が監視の強化などによって徹底されている。辺鄙(へんぴ)な農村では監視が行き届かないこともあり、戸籍のない「黒孩子(ヘイハイズ)」(闇っ子)も少なくない。しかし、総じて言えば、計画出産政策は機能し、人口抑制にかなりの効果があった。 早くも高齢化社会に突入 「改革開放」政策の30年間(1979~2009年)、中国では著しい経済発展が成し遂げられた。その一方で一人っ子政策を実施