『週刊ダイヤモンド』2015年2月7日号の巻頭特集は、「世界を揺るがす原油安 超入門」。原油価格の急落が世界の政治経済に大きなインパクトを与えていますが、ここでは、油価急落の背景にある世界のエネルギー地図の大激変についてお届けします。 昨年暮れの出来事だった。エネルギー関連会社の社長は、密輸されたとみられるナイジェリア産の原油を買わないかと、ある外国人ブローカーから持ち掛けられた。 丁重にお断りしたそうだが、「欧州ではよくあるらしいけど、日本にまで来るとはね。それだけ原油が余っているわけだから、原油の価格が急落するのも仕方ないのかもね」。社長はボソリと言った。 原油の価格が急落している。昨年半ばに1バレル100ドルを超えていた原油価格は、足元で40ドル台半ばと半値以下にまで落ち込んでしまった。 原油価格はなぜ、それほどまでに急降下したのだろう。 一つには世界的な需要鈍化がある。欧州の景気低