昨日息子がおでんだけじゃ物足りなかろうと、唐揚げを揚げたのだが、遅い昼ごはんをファミレスで3時過ぎに食べて帰って来た。 「じゃ、夕飯7時ね。それまでちょっと寝てくる」 結局このまま起きてこなかった。 声をかけたが「うんわかってる」「わかったってば」「わかってるってば今行くよっつ!」。 このパターンはもう、睡眠の世界に行っちゃって何をやったところでダメなとき。 さっさと夫と二人、食べ始めた。 「唐揚げ、おいしい」 息子に4つ、夫に2つ取り分けておいた小さな皿から真っ先に箸を伸ばす。 夫には、つけていないと拗ねるからお印程度についでに盛り付けておいただけで、本来、食べ盛りの青年の為に揚げたのだ。 二人だけの夕食だったら好物のおでんで十分だった。全部冷凍すればよかった。 妻は密かに悔やむ。 「唐揚げ、まだ、ある?」 息子の皿をキラリと見ながら、夫が狙う。 「もう、やめとき」 何かを察し、引き下が