今回は珍しく(?)初心者フレンドリーに書こうと思う。先日のPyCon JPでの発表で、Pythonで使える疎行列のライブラリ「scipy.sparse」について反響があったので、改めてここで使い方の基本をまとめてみることとする。そもそも、便利で使い方もそれほど難しくないのに、日本語の情報がほとんどないようなので敬遠されていることもあるかもしれない。ここでは、使い方の基本を解説する。 基本: 疎行列とは? 要素のほとんどが0であるような行列を疎行列と呼ぶ。そうではない普通の行列を、区別したいときには密行列と呼ぶ。疎行列では、非ゼロ要素だけを覚えておけば良いので、メモリ、計算時間ともに大幅な節約になる。特に非ゼロ要素の割合が小さい場合は、その節約は大きくなる。 特に機械学習の分野だと、計算過程で大規模な疎行列が必要になることがよくある。 使い方 scipy.sparseには、疎行列を表すクラス