紹介 ミュンヘン近郊の町で、楽器店を営む両親と、障がいをもって生まれて来た妹と暮らす少年。彼の眼を通して、ヒトラーの台頭から、政権への反対者の逮捕、ユダヤ人差別・弾圧、障がい者の隔離をはじめとしたナチスの支配、そして第二次世界大戦とナチス・ドイツの敗北までを描いた物語。 戦争が終わり、廃墟となったミュンヘン郊外の町で、兵隊から復員してきた父親に少年は、「父さんはどうしてヒトラーに投票したの?」と最後に問いかけます。 前書きなど この絵本の舞台になっているツォルンフェルトは架空の町です。ルディ少年とその家族の物語もフィクションですが、作者はヒトラー政権が成立した1933年から大戦が終わる1945年までの12年間にドイツで起きたことについてよく調べて書いていますので、こういう家族が実際にもいたと考えてくださって間違いないでしょう。 ヒトラー政権が成立した頃、世界はアメリカ合衆国で始まった恐慌の