第150回 「オフレコ破り」、現場はどうなっているのか 政治アナリスト 花岡 信昭氏 2009年3月12日 もうあきれ返るばかりで、小泉元首相ではないが、「笑っちゃう」気分である。「政府高官」発言を巡る一連のどたばた劇だ。結論的に言ってしまえば、政治報道の現場はどこかおかしくなっている。「幼児化症候群」とでも言うべき現象が生じているのではないか。 内閣記者会は日本最大の記者クラブである。政府中枢を取材するのだから、各報道機関とも政治部の中核部隊として位置づけている。それが、「集団的オフレコ破り」を演じてしまったのだ。それも、一定の政治勢力に加担するかたちの展開となったのだから、これは日本の政治報道の汚点として歴史に残る「事件」と言っていいかもしれない。 経緯を振り返ろう。西松建設事件で民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書が東京地検に政治資金規正法違反容疑で逮捕されたのが3月3日だ。問題