アルファ/オメガ (ハヤカワ文庫 SF ヘ 11-1) 作者: フランチェスカヘイグ,水越真麻出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/09/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見る本書『アルファ/オメガ』はフランチェスカ・ヘイグというオーストラリア生まれで今は英国のチェスター大学で研究員として働く新人作家(ただし元々は詩作や短篇小説で活躍していた)の初長篇作品。英語圏ヤングアダルト領域で雨後のたけのこのごとく出ている世界崩壊後を描いたディストピア物、しかも三部作と不安をあおる内容でありながらその構造も文章もがっちり決まっていて何よりその設定が(かなり無茶ではあるのだが)面白い。なのでまずは設定の話から始めよう。 世界設定について 核戦争で荒廃し文明が弓矢で闘争レベルにまで退化した400年後の地球が舞台──というところまでは「ありきたりすぎるぐらいにありきたり」な世界崩壊後SF