名誉館長に元朝日新聞記者の伊藤千尋さん(75)、顧問に慶応大名誉教授で法学者の小林節さん(75)、理事長に平和運動家の金野奉晴(こんの・ともはる)さん(75)が就任。各地で9条を守る活動をしてきた有志らが理事として加わり、計26人で運営団体を立ち上げた。 9条の家は洋風外観の木造2階建ての元民家。所有していた金野さんの親族が亡くなり、相談を受けた伊藤さんが活用方法を提案した。建物の外観が、日本と同じく平和憲法を持つコスタリカの博物館に似ていたことから思いついたという。
東京都練馬区の住民が隣にできた保育園の園児の声がうるさく平穏に生活する権利を侵害されたとして、園の運営会社「日本保育サービス」(名古屋市)などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(渡辺恵理子裁判長)は、住民側の上告を棄却する決定をした。23日付。住民側敗訴の一、二審判決が確定した。 2020年6月の一審東京地裁判決は、07年4月の開園から2年ほどは国基準を上回る騒音レベルが散見されたが、園庭の使用を控えるなどして抑制され「受忍限度を超えていたとは認められない」とし、住民側の請求を棄却。21年3月の二審東京高裁判決も一審判決を支持した。(加藤益丈)
同性婚を認めない民法や戸籍法の規定が憲法違反だとして、全国の同性カップルらが国を訴えた裁判で、3月14日の札幌高裁判決(斎藤清文裁判長)は「憲法24条1項に違反する」との初判断を示し、「同性間の婚姻も異性間と同じ程度に保障している」と踏み込んだ。憲法学者はこの判決をどう受け止めたのか。ポイントや意義を、憲法を専門とする慶応大法学部の駒村圭吾教授(63)に聞いた。(奥野斐) 同性婚訴訟 戸籍上、同性の2人の結婚を認めない民法や戸籍法は憲法違反だと訴えた裁判。原告には、戸籍上はともに女性だが、一人がトランスジェンダー男性で、男女として暮らすカップルもおり、原告らは「同性婚」ではなく、「婚姻の平等」を求める「結婚の自由をすべての人に」訴訟と呼んでいる。2019年に札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5地裁に提訴。21年に東京地裁に追加提訴。これまでの地高裁判決7件のうち「違憲」「違憲状態」は6件に上
過激なポーズや未成年の出演が確認された「水着撮影会」が埼玉県営プールで開かれていた問題で、所沢市の市民団体が2日、市内で「若い女性の半裸を撮影するイベントが公共施設で開催されていることを知って、県に意見を出してほしい」と街頭で呼びかけた。 街頭活動をしたのは「所沢市民が手をつなぐ会」。メンバーの荻原みどりさん(75)は「女子中学生のモデルに、男性が何十人も群がって撮影する様子をネットで見て驚いた。性を商品化した営利目的の撮影会を、なぜ県の施設でやらせるのか疑問だ。県民として恥ずかしい」と話した。荻原さんらの呼びかけに「今度中学生になる娘がいるので関心を持った」と話す通行人の男性もいた。 撮影会が開かれていた3カ所の県営プールを管理する県公園緑地協会は昨秋、有識者の検討会を設置。検討会がまとめた提言をホームページで公開し、県内在住・在勤の人を対象に6日まで意見を募集している。その後、新ルール
経済同友会の新浪剛史代表幹事は5日、経済3団体の共同記者会見で、大阪・関西万博の会場建設の人手不足が深刻になる中、能登半島地震が起きたことに絡み「(震災の被害は)大変厳しい状況にある。人命第一という考えを世界は理解してくれるはずだ」と述べ、万博延期の可能性に言及した。
自民、公明両党は17日、防衛装備品の輸出ルール緩和に向けた協議で、武器を構成する部品の扱いなどについて意見を交わした。政府・与党は年内のルール見直しを目指すが、議論は密室で行われ、議事録も非公表。政府は与党で協議中だとして国会での説明を拒む。なぜ輸出緩和が必要なのか、国民に根拠が示されないまま、武器輸出の拡大が進もうとしている。 防衛装備品の輸出ルール見直しを巡る自民、公明両党の実務者協議であいさつする自民党の小野寺五典安保調査会長(中央右)=17日、東京・永田町の衆院第2議員会館で この日の協議では、武器の部品と完成品の線引きなどを議論した。殺傷能力のある武器を構成する部品の扱いが不明確だった現行ルールを見直し、部品が殺傷能力や物を破壊する「自衛隊法上の武器」に当たらなければ輸出できるようにする方向だ。
コロナ禍や物価高で家計が厳しくなる中、子どもたちの教育格差が広がっている。総務省の2022年の家計調査によると、塾代など「補習教育」の費用がコロナ前の19年と比べ、年収が多い世帯では増加したのに対し、比較的少ない世帯では減少する傾向が出ていた。物価の高騰が収まらない中で、識者らはさらに格差が拡大することを懸念する。 (並木智子) 家計調査 世帯の収入や支出、貯蓄、負債を調べる総務省の全国調査で、特に重要な統計とされる「基幹統計」の一つ。支出は食料、住居、光熱水道、教育、保健医療といった項目に分かれる。収入などの違いによって、支出額がどう異なるかが分かる。消費や景気の動きを捉えるのに使われ、経済政策の立案の参考にもされる。
優菜さんは、ペルーから来た非正規滞在者の両親の下、日本で生まれた。その後、母が定住資格を持つブラジル出身の日系3世の今の父と再婚した後も、母や兄とともに在留資格が与えられない。優菜さんは知らなかったが、小2の時に退去命令が出され、いつの間にか就職も自由な移動も禁じられる「仮放免」になっていた。
政府は6日、岸田文雄首相の2月24日の記者会見で指名されなかった報道機関などの文書による質問に書面で回答した。本紙は、東京都世田谷区の小学校の6年生36人が首相に宛てた安全保障政策について質問する手紙に返事を送ったかどうかを尋ねたが、首相は返事を出す考えがないことを明らかにした。
家庭の貧困が子どもの学習理解や進学を阻む傾向が、内閣府の初の全国調査で明らかになった。貧困層の子どもの学校の授業が「分からない」割合が、比較的暮らし向きが安定している層の3倍以上で、進学希望が「中学・高校まで」にとどまる割合は4倍以上だった。生まれた環境が人生を左右しかねない「親ガチャ」がデータ面からも裏付けられ、対策が求められている。(渥美龍太) 調査は昨年2〜3月、全国の中学2年生とその保護者5000組に郵送で実施し、回収率は54.3%。世帯の収入を調べ「貧困層」「準貧困層」と、比較的に暮らし向きが安定している「それ以外」に分け分析した。 子どもにクラスの中での成績をどう思うかを聞くと、貧困層は「やや下のほう」と「下のほう」の合計が52%と、それ以外の26%の2倍に上った。授業の理解度で「ほとんどわからない」と「わからないことが多い」の合計は、貧困層が24%となってそれ以外の7.3%
原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は9日の衆院経済産業委員会で、日本国内の原発がミサイル攻撃を受けた場合、「放射性物質がまき散らされることが懸念される。現在の設備で避けられるとは考えていない」との見解を示した。ウクライナを侵攻したロシア軍が原発を攻撃したことを受けて質問した立憲民主党の山崎誠氏に対する答弁。 国内の原発を巡り、政府はテロ対策を進めているとは説明してきたが、軍事的な攻撃に対する危険性は明言してこなかった。更田氏は経産委で「2国間の紛争による武力攻撃を(安全上の)審査などで想定していない」と説明。原発が占拠されれば「コントロール全体を握られる。その後はどんな事態も避けられない」と指摘した。 鬼木誠防衛副大臣はミサイル技術の向上により迎撃が難しくなっているとして「敵基地攻撃能力を含めてあらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討していく」と答弁。山崎氏は「地震やテロ、そして今回
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