最も有名なヴァイオリンの1つとして名高いストラディヴァリウスが、現代の3次元CAD技術で精密に再現されました。美術品の真贋といえば放射年代測定ということか、挑戦者は音楽を愛する放射線科医にして元ミネソタ大学助教授の Steven Sirr 氏。X線コンピュータ断層撮影(CAT)で分析した結果は北米放射線学会で発表しており、好事家の手慰みといった次元ではありません。 Sirr氏がそもそも楽器のCATスキャンを始めた動機は「銃で撃たれた人を診たときのこと。患者が手術に運びだされたあと、(練習に持ち込んでいた) ヴァイオリンをスキャナに突っ込んでみた。いろいろ向きを変えたりして見ているうちに、これはじつに興味深い観察対象だと気づいた」。さらに、洪水や戦争を含めた諸要因がバイオリンに多様性をもたらすことについては「ちょうど人間のようだ」。贋作作りが稼業の外道キュレーターも逃げだしそうです。 スキャ