【鯨岡仁】政府・与党は９日、２０１６年以降、年収１２００万円超のサラリーマンの所得税などを増税する方向で調整に入った。必要経費とみなして課税対象から外す「給与所得控除」を減らす。年収１５００万円の人なら年７万円の増税になる計算だ。　来春の消費増税は、所得が少ない人ほど負担感が重いため、不公平感を和らげるのが狙い。ただ、消費増税と同時に所得増税をすると、景気を冷やすおそれもあるため、消費税率を１０％に上げる予定の１５年１０月より後にする。　財務省などは１０日の自民党税制調査会にこの案を示し、１２日にもまとめる与党税制改正大綱に盛り込みたい考えだ。

安倍晋三首相は９日夕、首相官邸で記者会見し、特定秘密保護法成立が拙速だとの批判に対し「私自身がもっともっと丁寧に時間をとって説明すべきだったと反省している。今後とも国民の懸念を払拭（ふっしょく）すべく丁寧に説明していきたい」と語った。ただ、会見は３０分間弱で終わり、国民の「知る権利」をどう守るかや秘密指定の恣意（しい）性をどう防ぐかなどについての具体的な説明はなかった。　首相は、知る権利を侵害する懸念について「通常の生活が脅かされることは断じてあり得ない。今ある秘密の範囲が広がることはない。報道などで友達から聞いた話をブログで書いたら民間人でも厳罰とか、映画などの自由な創作活動が制限されるということは決してない」と語った。　首相は会見で秘密の指定、解除、保全のルールができたとして「格段に透明性も責任も明確になる」と語った。だが、新設する「保全監視委員会」や「情報保全監察室」といったチェック

【小泉浩樹】政府は９日、ホテルや百貨店などで相次いだ食材偽装への対策を話し合う関係省庁会議を開き、景品表示法を改正して監視・指導態勢を強化することなどを柱とする対策を決定した。森雅子消費者相は会議後の記者会見で「事業者のコンプライアンス意識の欠如、行政の監視・指導態勢に問題があった。しっかりと対策を取っていく」と述べた。　景表法改正では、不当表示の中止や再発防止の措置を命令する権限を都道府県に与える。立ち入り検査の権限を農林水産省や国土交通省など関係省庁に拡大し、農水省の表示・規格指導官（食品表示Ｇメン）なども検査できるようにする。一般の消費者による「食品表示モニター」制度を創設する。事業者が表示の管理責任者を置くことも義務づける。　また、違反に対する課徴金制度の新設も検討する。同日、内閣府消費者委員会に諮問し、答申を受けた後での法改正を目指す。　このほか、適切な表示がどのようなものかを説