テクノロジー業界はパスワードよりましな代替機能に取り組んではいるが、まだ当分はパスワードを使い続けなければならない。過去数十年伝えられてきたパスワードに関するアドバイスの中には、時代遅れになったものもある。ここで紹介しよう。 パスワードの安全性を保つための基本は変わらない。アカウントごとに異なるパスワードを使い、推測しにくいパスワードを作成すること。だが、セキュリティの専門家たちは、3つの古くからのルールは捨てていいと言っている。その3つは、パスワードを書き残すな、誰にもパスワードを教えるな、パスワードは頻繁に変更せよ、だ。 これらのアドバイスは、最大の脅威が人間によるコンピューターへの物理的なアクセスだった時代のものだ。今日では、われわれの生活は完全にインターネットとアプリと絡み合っており、ハッカーは世界中のいたるところにいる。その結果、自分のアカウントを守る方法も考え直さなければならな
パスワードは複雑にする必要はない。ただ長くすればいい――。米連邦捜査局(FBI)のそんな勧告が話題になっている。根拠としているのは、米国立標準技術研究所(NIST)がまとめた最新版のガイドライン。破られにくく、かつ覚えやすい文字列を作り出すため、パスワードではなく「パスフレーズ」の使用を勧めている。 これまでパスワードといえば、アルファベットの大文字と小文字、数字や記号を使ってできるだけ複雑にするのが望ましいとされてきた。ところがNISTの勧告では、パスワードの複雑さよりも、長さの方が、ずっと大切だと説く。 そこで、長くてしかも覚えやすい文字列をつくりだす手段として提言しているのが、複数の単語を組み合わせたり文章をつなげたりするパスフレーズ。FBIは強いパスフレーズの一例として、「VoicesProtected2020WeAre」「DirectorMonthLearnTruck」などを挙げ
今さら聞けない「セキュリティ基礎の基礎 利用者を特定するための基本的な手段としてIDとパスワードを用いた方法(認証)が広く利用されています。しかし、この方法はIDとパスワードの組み合わせが分かれば、誰でもその人になりすますことができます。特にパスワードは機密性が高いため、漏えいしないように厳格な管理が求められます。 「パスワードの定期変更は不要」と一様に思われがちですが、必ずしもそうとは言い切れません。今回はパスワードの定期変更について解説します。 総務省の見解 2004年、総務省はパスワードが漏えいした場合、パスワードを定期的に変更していれば、被害を防ぐことができるため、パスワードの定期変更を推奨していました。 しかし2018年には、パスワードの作り方がパターン化して容易に推測されやすくなるリスクやパスワードを使い回すことを助長しかねないことから、パスワードの定期変更に関する内容を変更し
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