海へ戻すためにつり上げられた大型貨物船「アジア・シンフォニー」。手前は漂着した際にできた防波堤の穴から作業を見守る住民ら=岩手県釜石市で2011年10月20日午前9時29分、梅村直承撮影 東日本大震災の津波で岩手県釜石市の釜石港岸壁に乗り上げたままになっていた元パナマ船籍の貨物船「アジア・シンフォニー」(4724トン)が20日、撤去され、港に再び浮かんだ。岸壁に打ち上げられた全長約100メートルの船は大地震の猛威を象徴する光景となっていた。 午前9時ごろ、大型クレーンのワイヤ32本が巨大な船体を持ち上げた。ワイヤはきしむ音をさせながら船をつり上げ、午前9時半ごろ、港内に着水させた。ダイバーがすぐに海に潜り、船底に大きな損傷がないか、確かめた。 3月11日、釜石港に停泊していた船は津波に押し流された。乗員のフィリピン人17人は無事に救助された。 撤去作業にあたったサルベージ会社「フルサワ」(