差別をなくそうなんて考えると、すぐに絶望におそわれる。 わたしたちの社会に深く根ざす差別構造は、少なくとも数百年、下手すれば千年単位で培われてきたものだから、一朝一夕でどうにかなるものではないし、一個人、一民間企業ができることなんてたかが知れている。どれだけ凄いことをやっても、あしたから差別がなくなるなんてことはない。差別の問題にはそういう徒労感がいつもつきまとう。 しかし、逆にこうも言えるだろう。仮に差別が部分的にでもなくなる日が来るとすれば、なくなって来たとすれば、それは不断の努力の積み重ねの結果でしかありえないのだと。努力を続けた先達の血のにじむ日々の上に、昨日よりもましな今日が続いている。 わたしたちもまたそうした先達に倣って差別と戦うことを決め、リブセンスは二〇一九年に経営の指針の一つとして「差別、ハラスメントの根絶と平等の実現」を決議した。上場企業としては当然の、むしろ遅すぎる
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