米国では年間1000例以上の潜水関連障害が発生しており,致死率は10%を超える。同様の障害が,トンネルやケーソン(建設工事に用いる防水を保つための構造物)内の作業者に起こることがあり,そのような環境では作業場から水を遮断するために圧縮空気が用いられている。 多くの障害が高圧に関連するが,高圧は水深の深い場所またはケーソン内で,その地点より上にある水の重量に水面の大気圧が加わることで生じる。10m(33フィート)の水深で,海水は海面レベルの標準大気圧と等しい圧力,つまり1.03 kg/平方cm(14.7ポンド/平方インチ),760mmHg,すなわち1絶対気圧(atm abs)を有する;したがって,この水深での総圧力は2atm absとなる。10m(33フィート)深く潜水する毎に1気圧ずつ増加する。 身体区画中のガス容積は外圧に反比例する;圧力変化によるガス容積の増大または減少は,直接的な物理