ロシアによるウクライナ侵攻から100日が過ぎ、東部セベロドネツクで激しい衝突が続いている。なぜロシアは盛り返したのか。依然として核使用のリスクはあるのか。防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄氏と東京大学専任講師の小泉悠氏による緊急対談第2弾。(後編はこちらのリンク先からお読みいただけます) 「普通の戦争」を始めたロシア軍 高橋 前回の対談後の流れを振り返ると、5月中旬にウクライナがハルキウ周辺を奪還し、ロシアのイジューム周辺の補給線を断って大勝するチャンスがありましたが、そこには至りませんでした。一方、ロシアは、第2次攻勢の中で比較的うまくいっていたルハンシクからの攻勢軸にリソースを投入して戦果の拡大をはかろうとし、現在はセベロドネツクを巡る戦況が激しくなっています。