観光は、日本の力強い経済を取り戻すための極めて重要な成長分野である。今後人口減少・少子高齢化が見込まれる中、国内の観光需要を喚起するとともに、急速に成長するアジアを始めとする世界の観光需要を取り込むことにより、地域経済の活性化、雇用機会の増大などにつなげていくことが重要である。 我が国は、政府が一丸となってインバウンド(訪日外国人旅行)を推進してきた。第二次安倍政権以降では、2013年に設置された「観光立国推進閣僚会議」により策定された「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」の実行により、同年には訪日外国人旅行者数が初めて1,000万人を上回り、翌年には訪日外国人による旅行消費額も2兆円を突破した。さらに2016年に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」では、2020年までに訪日外国人旅行者数4,000万人、訪日旅行消費額8兆円、2030年までに同6,000万人、15兆円という目