■要旨 来月8日に黒田東彦日銀総裁が任期の期限を迎える。2013年3月に総裁に就任した黒田総裁の下、日銀は同総裁が就任した直後の金融政策決定会合(以下、決定会合)において、いわゆる「異次元緩和」を導入し、およそ10年もの長きにわたって継続してきた。 異次元緩和を主導した黒田総裁の任期末という大きな節目を迎えるにあたり、異次元緩和を改めて振り返り、総括したうえでその意義について考えてみたい。 ■目次 1―黒田総裁就任後の金融政策の歩み 2―異次元緩和の評価 1|異次元緩和の効果 2|異次元緩和の副作用 3―異次元緩和のまとめと意義