巧みな台詞引用術! 著者は詩人、漫画家、俳優、映画監督と様ざまな肩書きを持つ才人である。現在は、地元松山の南海放送で『杉作J太郎のファニーナイト』のディスクジョッキーとして活躍している。先の衆議院議員総選挙では、同局のYouTubeチャンネルで報道局長と共に選挙特番の司会も務めた。 衆院選の投票率は戦後3番目に低い55.93%と低調だった。「各党の指導者にもう少しカリスマ性があれば……」。一瞬そんな考えが私の脳裏を過ぎったが、本書の一節を思い出し、直ぐに打ち消した。本書は、スクリーンで綺羅星のごとく輝いた数多の名優について五十音順に解説を加えている。たとえば、か行に名を連ねる加藤武の場合はこうだ。 〈NHK放送センターでインタビューをさせていただいた。今までやられた役で一番自分自身に近い役はなんでしょうかという質問に対し、ズバリ一言。「『仁義なき戦い 代理戦争』の打本親分ですかな」「彼はカ