茨城県つくば市で学生時代を過ごした筑波大生が、社会に出てからつくばに戻って住む、人呼んで「つくバック」。その動きが近年、目立っている。つくばエクスプレス(TX)の開業や教育水準の高さが人気の理由だ。市はこれに着目。人口減少の歯止めにと期待している。 障害者に声をかけながら、落ち葉をほうきで掃き集める。Tシャツ姿の野田洋一郎さん(32)は「つくバック」した一人だ。 熊本県出身。2008年に筑波大を卒業し、東京で証券会社に就職したが、「モラトリアムを過ごした場所が懐かしくて」と2年前、大学時代の知人とつくばで会社を立ち上げた。障害者ら29人を雇用し、自社栽培の野菜を使った弁当販売やビル清掃などの事業をする。 古くからの農家が多い一方、研…