コンパクトデジタルカメラ、通称コンデジは平成を代表するIT機器の1つだ。その先駆けとなったのは、カシオ計算機(以下、カシオ)が1995年(平成7年)に発売した「QV-10」だろう。 QV-10の登場以前にもデジタルカメラは存在したが、大型だった。QV-10は幅13×奥行き4×高さ6.6センチ、約190グラムというサイズを実現。単3乾電池4本で駆動し、どこでも手軽に撮影できた。センサーサイズは1/5インチ、撮影画像の解像度はQVGA(320×240)だった。時の流れを感じさせるスペックだ。 この機種は、本体内に96枚の写真を保存できた。カシオによると、企画時の蓄積可能枚数はフィルムカメラに見られた24枚だったが、当時の社長の「いや、100枚撮れたほうがいい」という鶴の一声で、メモリーを4倍にして96枚になったという。 外部記憶媒体はサポートしていなかったが、当時はmicroSDもSDも、CF