「たかが、喉の痛み。すぐによくなるだろう」と放置していたら、あれよという間に悪化し、激痛や高熱で会社を休むはめになった……。実は、喉の痛みではこんな怖いことが起こりかねない。 扁桃炎が重症化して起こる「扁桃周囲炎」「扁桃周囲膿瘍(のうよう)」や、キスによる唾液感染で起こる「伝染性単核球症」などがその例だ。どのような病気なのか。藤田医科大学岡崎医療センター耳鼻咽喉科医師の櫻井一生さんに聞いた。 口を「あーん」と大きく開けて鏡を見ると、のどちんこ(口蓋垂:こうがいすい)の両脇にコブのようなものが見える。これが扁桃(扁桃腺)だ。 「正式には口蓋扁桃といって、喉にあるリンパ組織の1つです。ウイルスや細菌などが侵入しないよう防御する役割を担っています。この扁桃に細菌が感染して炎症が起こり、赤く腫れるものが扁桃炎です」と櫻井さん。 扁桃炎は激しい痛みが特徴 扁桃炎の痛みは咽頭炎に比べて強く、痛みにとも