危機的状況と指摘される民主主義のあり方について、政治思想史が専門の宇野重規東京大教授に聞くインタビューシリーズの2回目。日本国内に目を転じれば、昨秋、宇野教授を含む6人の学者が、菅義偉首相によって日本学術会議の新会員任命を拒否され、学問の自由に関わる議論を呼んだ。一方で、若者の政治への関心低下も指摘されて久しい。日本でも民主主義は岐路に立たされているのか。国内の状況について聞いた。【聞き手・鈴木英生】 若者は「政治に関心がない」のか? --地方のまちづくり関係者が、「学術会議の問題を周りの人に『自分事』としてわかってもらうのが難しい」と話していました。最近は、地域の活性化など社会的な課題に意欲的な人たちでさえ、政治への関心が高いとは言いがたいようです。 ◆今の、特に若い人たちには、社会に関心を持つことと、いわゆる政治に関わることの間に大きな距離がありますね。私も、島根県海士町や岩手県釜石市