これは、ダイハツの不正行為を調べた第三者委が公表した報告書で紹介された現場の従業員の声だ。管理職が問題解決に向けて積極的に関与しようとしない中、問題を抱え込んで担当者が苦悩する様子が目に浮かぶ。 もう一つ、報告書に記載された従業員の声を紹介しよう。 「開発日程を遅らせることは絶対NGの風潮が強く、日程に間に合わないと感じ、手を挙げると『なぜ間に合わないのか』『どうしたら間に合わせられるのか』『今後どうするのか』の説明に追われる。設計に注力したくて手を挙げたのにその他の業務が一気に増えることが目に見えているので、禁じ手を使ってしまいたくなる気持ちは理解できなくもない」 短期開発を絶対視 こうした従業員の声なども踏まえ、第三者委は不正が起きた原因について「極度のプレッシャーにさらされて追い込まれた現場の担当者に問題の解決が委ねられた現場任せの状況になっていた」などと指摘した。管理職が現場の状況