佐渡島の金山は「相川鶴子(あいかわつるし)金銀山」と「西三川(にしみかわ)砂金山」で構成される鉱山遺跡だ。金の生産は400年以上前に始まり、17世紀には質、量ともに世界最高水準を誇った。採取から精錬までの手工業の遺構が残るのは珍しいとされる。 日本政府は2022年2月、世界文化遺産への推薦書を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出した。しかしユネスコは、説明に不備があるとして推薦書を諮問機関イコモスに送らなかった。 政府は2023年に推薦書を再提出。イコモスは今年6月、「登録」に次ぐ2段階目の「情報照会」を勧告。「世界遺産登録を考慮するに値する価値がある」とした上で、江戸時代だけでなく「鉱業採掘が行われていた全ての時期を通じた、全体の歴史を現場レベルで説明・展示する」よう求めた。明示していないが、朝鮮人の強制労働問題を指すとみられる。 ▽露骨な差別意識 冒頭の新潟県史に戻る。県史によると、