新型コロナウイルスのオミクロン株の水際対策などについて記者団の質問に答える岸田文雄首相=首相官邸で2021年11月29日午後1時19分、竹内幹撮影 岸田文雄首相が、労働組合の中央組織、連合に接近している。5日は自民党の首相として2013年の安倍晋三氏以来9年ぶりに、連合の新年交歓会に出席した。今年夏の参院選に向けて労組票を切り崩す思惑があり、連合の支援を受ける立憲民主党や国民民主党は警戒している。 「春闘ではここ数年低下する賃上げ水準を反転させ、新しい資本主義にふさわしい賃上げを期待する」 首相は連合にエールを送ったうえで、「さまざまな課題に立ち向かうには政治の安定が重要だ。参院選では与党に貴重な理解と協力を心からお願いする」と呼び掛けた。立憲の最大の支持団体へ協力を求める意外な発言のためか、会場にざわめきが起こった。連合関係者は「毎年、首相への出席案内を出している。今回の出席は参院選が念