当時同級生だったナイジェル(本名は吉村。純日本人だ。)は相手のガイルが放ったソニックブームを波動拳で相殺しながらそう言った。 ゲームセンターに対戦台といわれる背中合わせに並ぶ2台で同じゲームを楽しむ仕組みが取り入れられ始めた頃のことだ。 相手のガイルは遠距離でソニックブームを連打し、近づけば中足払いで牽制するというスタイルを徹底していた。 リュウの竜巻旋風脚がソニックブーム対策になる前では、せいぜい中足払いに大足払いを当てに行って、ダメージで優位をとるのが関の山だった。 ナイジェルはガイルの鉄壁を崩せず、すでに10試合近く負け続けていた。 相殺された波動拳の隙にガイルの裏拳がめり込む。 最終ラウンド、すでに絶望的な体力差だ。 「そんなの知らねぇよ。それともまさか、リュウの真空投げでもできるっていうのか?」 もしかしたら当時噂になっていたリュウの真空投げをナイジェルは知っているのではないだろ