台風10号は一時、鹿児島県に接近する段階の中心気圧が930ヘクトパスカルと、特別警報級に発達すると見込まれましたが、東シナ海を通過する過程で発達が止まり、その後、勢力を弱めました。 この要因について専門家は、先行して東シナ海を通過した台風8号と9号が、周辺の海水温を下げたことが影響したと分析しています。 海水温など海洋の環境が台風に与える影響について研究している、気象庁気象研究所の和田章義室長によりますと、台風8号と9号によって東シナ海の海水温が下がったところに台風10号が通過したことで、発達がおさえられたのではないかと分析しています。 また和田室長は「台風9号が朝鮮半島に上陸してから10号が東シナ海に向かうまでの期間が比較的短かったため、海面が雲に覆われ、衛星から水温を推計して予測に使うデータとして入手することができなかった」として、予測の難しさについて指摘しました。 そのうえで和田室長