【ソウル=加藤達也】ソウルの日本大使館に今年1月、火炎瓶を投げ込み韓国で服役中の劉強受刑者=中国籍=の身柄をめぐり、韓国が日中の間で厳しい状況に立たされている。日本側は昨年末の東京・靖国神社への放火容疑で、日韓犯罪人引き渡し条約に基づき身柄の移送を求めているが、中国政府は中国への強制送還を要求。韓国では反日団体などが、日本への引き渡しをしないよう韓国政府に働きかけている。 韓国外交通商省の趙泰永報道官は今月16日、「国内法と国際法、人道的な見地を総合的に考慮して結論を出す」とし、対応を決めていないことを明らかにした。これに対し日本警察関係者は「人道うんぬんではなく、条約に定められた引き渡し拒否の理由にあたらない限り、粛々と引き渡されるべきだ」としている。 条約では、引き渡しを拒むことができる場合について、引き渡し後、政治犯として処罰される可能性があることなどを挙げている。しかし、容疑は建造