「強制捜査された時点でどのみちこうなると思っていた。社長が辞めることも驚きではない。この1カ月くらい、社内でうわさになっていたから。事態の大きさを考えれば、そうなるだろう」。電通の男性中堅社員は28日、書類送検や石井直社長の引責辞任について冷めた口調で語った。 電通は長時間労働を防ごうと、10月から「午後10時以降の全館一斉消灯」を続ける。この社員は淡々と続けた。「今は繁忙期ではないのでそんなに自宅に仕事を持ち帰ってはいないけど、自宅からメールを送ったりはしている。『10時に帰れ』と言われても、仕事が減るわけじゃない」 別の30代の男性社員も、「今の会社の取り組みはある程度評価できるが、仕事を持ち帰る人が周りで増えている。会社はこうした抜け道をなくすことにも取り組んでほしい」と注文を付けた。 「忙しい部署でやってきたので、月の残業時間が100時間を超えて産業医面談を受けたこともある」。そう