→紀伊國屋ウェブストアで購入 「そのままの子供」 2002年の夏、ある印刷教育に関する勉強会で、写真家の三浦和人氏の話を聞く機会があった。「写真における技術と感性」がテーマで、同じ写真をグラビア印刷した初版本とオフセット印刷した復刊本を見比べたりしながら、印刷方法や印刷技術者の力量でいかに読者に伝わるものが違ってくるかを、実例とともに解説していただいた。 そのとき、何冊か回覧された写真集の中に、三浦氏の親友だった牛腸(ごちょう)茂雄氏の写真集があった。レンズを見つめる少年や少女の眼に引きつけられた。といっても、『PERSONA』(鬼海弘雄、草思社)にあるような強烈な視線ではなくて、もっと普通の、笑っているでもなく、怒っているでもない、ただ、生(き)のままの表情だ。 その写真集(たしか『日々』や『幼年の「時間(とき)」』だったと思う)が欲しくてたまらなくなって、しばらく神保町やネットで探して
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