2018年1月15日、ももいろクローバーZのメンバー有安杏果さんの卒業・引退が発表されました。この記事では、「リアル」と「ファンタジー」という観点から日本のアイドル史ごくごく簡単に(かつ乱暴に)振り返ったうえで、ももクロファンとして、この出来事にどう向かい合っていくか、綴っていきます。なんだかまとまりのないアンバランスな記事になっています。ももクロの話にだけ興味がある人は、ここからお読みください。 80年代アイドル――ファンタジーとしてのファンタジー 山口百恵の引退と松田聖子のデビューによって幕を開けた80年代のアイドル文化において、アイドルとはフィクションでありファンタジーだった。アイドルはアイドルというファンタジーを演じ、ファンもそれをファンタジーだとある意味割り切って受容し消費していた。そこには「冷めつつノリ、ノリつつ冷める」という80年代的消費文化のエートスが浸透していた、と言える