コメダ珈琲(コーヒー)店を展開するコメダ(名古屋市)や朝日大(岐阜県瑞穂市)などが、食べ物や飲み物を飲み込む力が弱くなり、気管に入るおそれがある嚥下(えんげ)障害の人でも楽しめるインスタントの「とろみコーヒー」を開発した。従来はとろみをつける分、味が薄くなったが、試行を重ねて深みのある味わいを実現した。 「やっぱりおいしいね」。岐阜市の飛驒満江さん(73)はとろみコーヒーを口に運ぶと、満足そうな笑みを浮かべた。二年ほど前、脳出血で入院し、左半身にまひが残った。コーヒーはペットボトル飲料に増粘剤を混ぜて飲んでいたが、「味が薄い」と感じていた。 コメダのマーケティング本部長、伊藤弥生さん(43)も二〇二〇年春、介護職の友人から「とろみをつけるとおいしくできない」と相談された。新型コロナウイルス禍で外食産業に逆風が吹き始めた時期で、「物販で届けられることに魅力を感じた」と伊藤さん。コメダのコーヒ