● [Thoughts] 古人の跡を求めず、古人の求めしところを求めよ 年を重ねるごとに、体力や集中力が低下していくことを思い知らされますが、ものを感じる心や調べる力は、逆に豊になっていくようです。特に古典に関しては、若い頃には左から右へ通り過ぎるだけであった言葉達が、全く異なる表情をもって目に飛び込んでくるから不思議です。 古典との共振 この現象をラジオ周波工学の言葉で説明すれば、古典と自分との間に「共振」が発生しているのだと思います。「同調」と呼び変えても良いかもしれません。自分の心が持つ共振回路の周波数が、古典のそれと一致した時、私達の精神は激しく揺り動かされます。 共振回路の特性を決定するものは、年齢・経験・喜怒哀楽・教育環境、様々な要因があるのでしょうが、ラジオ愛好家が自分の手でコイルを巻くように、私達も日々の生活の中で気づかない間に「心のコイル」の巻き数や「心のコンデンサ」の容