2060年、日本。ここは老人の国となっていた。 人口は9000万人を割り込み、人口の40%が65歳以上。若者は12%ほど。見回すと老人ばかり。老人が主体の泥の船となっていたのだ。 尿漏れパッドの売れ行きは最高潮!介護事業も最高潮!介護長者と言われる社長も出てきて、いかに老人に媚をうるか、金を落とさせるのかが主体となった経済の流れだ。 一方で出生率は減少の一途を辿り、産まれた子供たちは手厚く保護された。一度でも虐待の通報が入った家庭では警察が介入し、子供たちを国の保護施設にて保護するようになった。そこでは無料で上等の教育、人間関係を得られる。そのため、金が無いままに支援がないままに子供を産んだ母がわざとあからさまな虐待をおこない、子供を保護させるようにする「無責任な母」が流行っていた。 ただでさえ老人が増え、労働人口が減少している。このため企業側が労働人口の囲い込みを始めた。特に介護事業者は