「当社の今年度の売上高は前年度に対して125%増となりました」 ある講演会で、プレゼンテーターの若いビジネスパーソンがパワーポイントを使いながら、自社の業績を鼻高々に説明した。 しかし、手元の資料を見て「おやっ?」と思った。前年度と今年度の実績値がおのおの「100億円」「125億円」と示されていて、「125%増」ではないとすぐにわかったからだ。 では「125%増」とは、どれくらい増えたことを意味するのだろうか。 たとえば「100%増」というのは、前年の売上高と同じ額だけ増えた、つまり「2倍」になったということである。「125%増」はそこにさらに前年の「25%分」を上乗せした金額、つまり「2.25倍」になったということなのだ。いまの時代、売上高が前年の倍以上に伸びるというのは、そうあるものではない。 それなのに会場では、誰も疑問を差し挟まなかった。単なる「ちょっとした言い間違い」と誰もがわか
![「対前年125%増」とは、どれだけ増えたのか?](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6f94ac60957637f0ae6d88a0ccb512d46d254b7d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpresident.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fb%2F9%2F1200wm%2Fimg_b9f41b95405d45c30a3e83f9c15bb0bf13222.jpg)