沖縄県八重山地方(石垣市、竹富町、与那国町)の中学公民教科書採択問題で竹富町教育委員会は8日、他の2市町と同一の育鵬社版を使うよう求めた文部科学省の指導を受け入れず、2013年度も東京書籍版を生徒に配布した。昨年に続き今年も町にゆかりのある篤志家の寄付金で31冊を準備した。このうち西表島にある大原中では、始業式後の午前10時ごろ、教室で新3年生の9人が新しい教科書を手にした。 教科書無償措置法は採択地区内で同一の教科書を使うよう定めている。だが竹富町は11年、八重山採択地区協議会が答申した保守色の強い育鵬社版を拒否。採択権限が各教委にあるとする地方教育行政法を根拠に東京書籍版を選んだ。 文科省が無償給付の対象としなかったため12年度は寄付金で購入した23冊を配った。文科省は今年3月、義家弘介政務官を町に派遣し同一教科書を使うよう指導したが、町教委は「違法行為はない」としている。