成長をイノベーションに頼り過ぎる失敗は、2009年のシャープ堺工場が一つの例だ。革新的でも売上の取れない設備投資がいかに経営に危険かを示している。エコポイントと地デジの後で内需で売れず、外需では厳しい競争になった。高度成長期なら内需が支えになって、致命傷にならずに済んだろう。高度成長期では、物価高にもかかわらず、財政がお金を堰き止めずに還元した。大して評価されない政策だが、今からすれば大事だったのである。成長戦略を呼びかけ、設備投資をさせたところで、緊縮で消費を削り、売れないよう仕組まれたら、企業はハシゴを外される。そんな司令塔の政策に乗るわけがない。 (図) (今日までの日経) 同床異夢の財政目標復活。家計の「円売り」はや前年超え。「動けぬ日銀」160円試す市場 円安圧力なお。大機・財政赤字の縮小のスピードが速すぎるリスク。