毎日新聞ウェブサイトに掲載された文鮮明氏の発言録に関する記事。文氏が重視した(左から)中曽根康弘、安倍晋三両元首相 安倍晋三元首相が銃撃され死去した2022年7月の事件をきっかけに、自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が取り沙汰されるようになってから間もなく1年がたつ。私は教団の教祖・文鮮明(ムン・ソンミョン)氏の約53年分の発言録を発掘し、政界とつながってきた歴史の一端を解明する記事を書いてきた。 浮かび上がったのは、安倍氏をはじめ愛国心を掲げる保守派が、「反日」的な発言を繰り返していた教祖をあがめ、日本人から金銭を搾取した教団と協力関係を築いてきたことの矛盾だ。反共産主義など一部重なる主張があっても、根源的に両者は相いれない思想だった。自民党は教団との「関係断絶」を宣言したが、保守派は真摯(しんし)に矛盾に向き合い過去の経緯を説明しなければ説得力を欠くだろう。
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