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芸能界の実態を描く漫画『【推しの子】(おしのこ)』が人気だ。原作は『週刊ヤングジャンプ』に連載中で、単行本は全11巻まで出版されて、500万部を突破した。 4月からテレビアニメ放送も始まり、同時にインターネットでも配信されている。Netflixでは視聴ランキング5位以内に入った。 ポップな絵柄から、若者向けの漫画にも見えるが、実は大人にこそ響く要素がたくさんちりばめられている。筆者は10代の息子に勧められて漫画を読んだのだが、想定しなかった気づきが多くあり読みながら何度も驚かされた。 詳しくは後述するが、大人として、若者や子ども、女性に対していかなる態度で接するべきか。考えさせられるシーンがこれでもかと登場し、圧倒された。 大人の事情に翻弄される若者たち メインの登場人物はアイドルやタレント、俳優として活動する高校生たち。恵まれた容姿や秀でた才能を持つ彼・彼女らが、テレビや映画のプロデュー
全国8万社の神社を包括する神社本庁の政治団体・神道政治連盟(神政連)が、この4月に実施されている統一地方選挙で、LGBTQ(性的少数者)への理解増進や選択的夫婦別氏(姓)制度の導入に反対することなどを求める公約書(政策協定書)を各自治体の候補者に送っていたことがわかった。岸田文雄首相がLGBT理解増進法案を今国会に提出したい姿勢を示す中でのことだ。 公約書を受け取った自民党県議らが東洋経済に明かした。受け取った候補者のうち、公約に「同意」して神政連の推薦候補となった人の数は不明だ。 2月、首相秘書官が性的少数者や同性婚について「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」などと発言したことに各界から反発の声が上がると、岸田首相は即刻、秘書官を更迭した。 LGBT理解増進法について「今国会に法案提出して成立を図るべきだ」(山口那津男・公明党代表)という与党の声にも押され、首相自ら、自民党に法案提出の準備
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2022年の出生数速報値が遂に80万人を割ったというニュースも話題になりましたが、日本の出生数は1970年代以降長い減少基調の中にあります。しかし、そんな出生数が激減している日本の中において、唯一1990年代と出生数が変わらず減っていないところがあります。 意外なことに、それは東京なのです。 1990年代と比較し出生数が減っていない東京 「いやいや、それはおかしい。東京の合計特殊出生率は全国最下位じゃないか」と言いたいかもしれません。確かに、東京の出生率は圧倒的に最下位(2021年実績で1.08)で、生涯未婚率(50歳時未婚率・不詳補完値)でみても、男女とも東京が1位です。つまり、東京は未婚率が高く、出生率が低い場所で、「日本の少子化の元凶は東京にあり」と思ってしまう人も多いでしょう。 しかし、それは大きな誤解です。 合計特殊出生率というのは、15~49歳の各才別の出生率の合計値ですが、こ
「嘘やろう」。ゼネコン関係者が一様に、耳を疑う事件が起きた。 スーパーゼネコンの大成建設は3月16日、北海道札幌市で建築中の高層複合ビルにおいて、鉄骨の精度不良と発注者への虚偽申告があったことを公表した。発注者であるデベロッパーのNTT都市開発が今年1月に現場を視察した際に、不審な点に気づいた。これを発端に、施工不良と数値の改ざんが発覚。建物の鉄骨部分でおよそ80カ所、コンクリートの床スラブで245カ所の精度不良があった。 【2023年4月5日14時08分追記】初出時の建物の鉄骨部分の改ざんのカ所について修正しました。 地上26階(高さ約116メートル)、地下2階のこの高層ビルには、ホテルやオフィス、商業施設が入居予定。だが、発注者が定めた品質基準を満たしていないため、今回、地上部分の鉄骨を解体して建て直す。高層ビルは2024年2月に竣工予定だったが、2026年6月末に延期される。事件の責
コロナ禍で早期退職の募集が急増している昨今。業績良好な企業の「黒字リストラ」も少なくないといいます。長年、尽くした会社から、もし突然「戦力外通告」を突きつけられたら……あなたならどうしますか? 小林祐児さんの『早期退職時代のサバイバル術』は、そんな大リストラ時代を生き残るための術がつまった一冊。会社にとどまる人も、転職する人も、懐にしておきたい本書から、一部をご紹介します。 「脱・年功賃金」が始まっている 歴史的経緯に目を向ければ、日本の人事管理システムとその副作用として現れる高齢社員の独特の位置づけが理解できます。また、近年の動きに目を移せば、大きな時代の流れの変化の中で、現在の中高年労働者が板挟み的な状況になっていることが見えてきます。 近年、年齢によって賃金の上がりにくい役職給や職務給が広がり、「賃金プロファイルのフラット化」が進行しています。 戦後からの経済界は「脱・年功賃金」の願
興収100億円超え作品が4本を数え、年間興収(2131億円)は歴代最高(2019年)の8割まで戻した2022年。景気のいい話題に沸いた昨年の映画界だったが、今年は正月興行から長年の課題が浮き彫りになる出足になった。 昨年12月からの2023年正月興行では、昨年に引き続き「好調な邦画アニメ」と「低迷する洋画」という対照的な構図になった。 『THE FIRST SLAM DUNK』はすでに興収110億円を突破し、最終120億円超えさえ見込まれる勢いを見せているのに対して、100億円が期待された『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、前作『アバター』(156億円/2009年)の3分の1以下となる42億円にとどまり、ブラッド・ピット主演の大作『バビロン』も大コケの様相を呈している。 この20年来続く日本映画市場の課題であった洋画人気の低迷と洋画ファン人口の減少が、コロナでより拍車がかかっているこ
日立製作所がイギリス国内高速新線向けの中高速車両である395系「ジャベリン」をひっさげ、ヨーロッパ鉄道市場への進出を本格的に果たしてから15年以上の歳月が経過した。 当時のヨーロッパにおいて、日本メーカーは部品供給程度の案件はあったものの、車両そのものを供給する例は少なかった。旧東急車輛(現・総合車両製作所)が製造したアイルランド向けの気動車や電車、三菱電機が設計・製造し、外見がJRのEF66形電気機関車に酷似していることで有名なスペイン国鉄251型電気機関車などの先例はあったが、いずれも小ロットでの生産に終始した。 日本の鉄道メーカーがヨーロッパへ大々的に進出し、現地工場を構えて数百両規模の大量生産をするということなど、当時はとても信じられない状況だった。それがなぜ大きく変化したのか。 欧州内でも「他国製」は少なかった そもそも、工業製品の中でも鉄道という分野は非常に特殊だ。工業水準が高
自然科学5、社会科学3、文学2の割合でいい ――「主体的・対話的で深い学び」を実現するために探究学習が重視される中、学校図書館の役割が大きくなっています。 それなのに学校図書館の基本的な考えは「1980年代からほとんど変わっていない」のです。30年前の服が並んでいる洋服屋に買いたい服はありますか? 本というのは刷られた瞬間に世界が止まります。データ本はデータが変わったら、法律やスポーツならルールが変わったら使えません。ミステリーなんて、DNAが解析されたので、今は血が1滴落ちていたら犯人がわかってしまいます。時代が緩やかで変化がなければ、本はそのまま使えますが、変化があれば図書館に並べる本も変えなくてはなりません。 1960年から80年代までは世界中が文学全盛期で、図書館の中では「物語」がいちばん強かった時代です。その当時の学校図書館は、新しく出た面白い物語を買い足すだけで済みました。90
創立101年目を迎えた共産党が大揺れとなっている。年明けに元幹部で現役の共産党員が公然と党首公選制の導入を求め、同党執行部が除名処分としたことが、他政党だけでなく、多くのメディアも含め、国民レベルでの厳しい批判を招いたからだ。 在位23年目となる志位和夫委員長(68)は批判拡大を受け、「集団指導によって民主的に党運営をやるのが一番合理的。あらゆる角度から見て、党首公選は道理がない」と居丈高に党首公選制導入を否定した。 ただ、党員数は約50万人だったピーク時からいまや30万人も割り込み、党勢退潮が際立っている。その中での党首公選制導入要求は、一般党員に広がる深刻な危機感を踏まえたものだけに、今回の志位氏ら指導部の硬直した対応には「悪いイメージを拡大させるだけ」(党幹部)との内部批判も相次ぐ。 現役の共産党員が「政策論争の可視化」主張 今回の反乱の“主役”は、現役の共産党員で、かつて党の安保外
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「1990年代は、親に会社を興したいと言えば、追放されるか、結婚もできない時代だった。不幸にも起業して失敗すれば、(銀行の)ブラックリストに載り、10年間は住宅ローンが組めなくなる。失敗が汚点になったのだ」 これは日本の話ではない。2016年に日本で自然キャピタルというベンチャーキャピタル(VC)を共同設立した、マーク・ビベンズ氏が語るのはフランスのことだ。企業、特に新興企業は、新しいアイデアを経済的価値に変えるベルトコンベアのようなものだが、かつてフランスも日本と同じように先端技術への投資で後れをとっていたのである。 新興企業が急増したフランス それからわずか数十年後の今日、フランスはまるで別の国のように感じられる。2000年以降、フランスでは3万8000社もの新しいスタートアップが生まれ、2010年にはわずか110億ドルだった評価額も、今では2760億ドルに達している。 このうち約25
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明るい話題に沸く2022年の映画界。コロナで止まった洋画配給の本格復興に位置付けられた今年は、邦画洋画含めて興収100億円を超える作品が4本(最終興収見込み作を含む)と歴代2番目に多い年になるとともに、秋までの興収で前年比140%の好推移。年末年始の正月興行を前に、市場規模をコロナ前に戻すかのような勢いを見せている。 しかし、その裏側を見ると喜んでばかりはいられないようだ。中クラスのヒット作が減少する“ヒット格差”は広がり、従来の制作構造から抜け出せない邦画実写の大規模公開作は時代の流れに取り残されつつある。いままさに映画界は、これまでの業界常識やヒット方程式が通用しない、コロナ以降の課題とジレンマに直面している。 100億円超え4本は歴代2番目 12月に入った時点で今年の映画興行を振り返ると、コロナ禍の一昨年から昨年にかけて日本公開がストップしていたハリウッドの大型シリーズ作品をはじめと
「僕には殺したい人が3人います」 トモカズさん(仮名、47歳)はためらいのない口調で言い切った。中学、高校と続いたいじめ。「3人」とは主な加害者だった同級生のことだ。本当はいじめに加わった全員を殺したかったが、どうにか3人に絞ったのだという。 中学、高校といじめのターゲットに 中学時代の部活中、突然バスケットボールをぶつけられて笑われた。放課後、雑談の輪に加わろうとしたら、「こんな人間はいらない」と拒絶された。授業中、後頭部を平手ではたかれたので振り向くと「呼んだだけだよ」と半笑いで返された。同級生らと電車に乗ろうとすると、「金が足りない」と現金をせびられた。当然、お金は返ってこない。 球技大会の審判や、部活の試合会場までボールを運ぶ役といった皆がやりたがらない仕事を任される。高校の体育の授業がラグビーだったとき、体への負担が大きいスクラムの最前列に問答無用で配置される。ロッカーは蹴られて
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