【ソウル=豊浦潤一】韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が1日に行った「3・1独立運動」式典の演説は、いわゆる従軍慰安婦問題を重視する指導者として、元慰安婦の証言内容を検証するとしている安倍政権への警戒感を明確に示す内容となった。 朴大統領は、「過ちを認めることができない指導者」との表現で安倍首相に批判の矢を向け、「過去の歴史を否定すればするほどみじめになり、窮地に追い込まれる」と語った。 安倍首相との日韓首脳会談が一度も開かれない中、朴大統領は2月中旬に訪韓したケリー米国務長官からオバマ米大統領の4月下旬の訪韓までの対日関係改善を求められていた。 それでも朴大統領としては、安倍政権が元慰安婦に対して前向きな措置を取り、村山、河野談話の継承を明言すると約束しない限り、首脳会談の開催は困難との立場を示した形だ。日韓関係の悪化の原因を作ったのは日本側であり、米国の「けんか両成敗」による仲裁を拒否した