国問研戦略コメント(2022-03) 中国が立たされた十字路----ロシアのウクライナ侵攻と中国外交 2022-03-11 高原明生(東京大学教授/日本国際問題研究所上席客員研究員) 「国問研戦略コメント」は、日本国際問題研究所の研究員等が執筆し、国際情勢上重要な案件について、コメントや政策と関連付けた分析をわかりやすくタイムリーに発信することを目的としています。 中国共産党のリアリズムでは、プーチンの全面的なウクライナ侵攻は予測できなかったのだろう。世界に見せつけたつもりだった中ロの固い絆。米国と競う上で欠かすことのできない、貴重な資産であるパートナーシップ。それが一転して負債となり、自らの信用力に深刻なダメージを及ぼしかねない事態が発生した。ロシアの侵略は世界の大多数の国から非難を浴び、中国外交は突然、十字路に立たされた。しかしそれでも、習近平はプーチンの戦争を是認し、中国政府は「特別