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小説に関するbalancoのブックマーク (106)

  • クラウド・オブ・ザ・デッド

    闇の中で目を覚まして、自分が死んでいることに気がついた。いつもなら目覚めたときにまず感じるまぶたの重さがどこにもなかった。目がどこかにあるという感じもしなかった。見えないし、聞こえない。においもない。空気も重力も感じない。肉体も、その延長にある感覚も、どうやら完全に消え失せていた。なぜだかわからないが思考だけが残っていた。重大な疾患でこのような状態に陥っているのではないかとも疑ったが、わたしは直感にしたがって自分は死んでいるのだと考えた。恐怖はなかった。不安もなかった。恐怖も不安も、その根源はおそらく肉体にあった。 死んでいることがわかったので、今度は死んだ理由について考えた。すぐさま記憶をたどろうとして、なにも思い出せないことに気がついた。自分の名前すら思い出すことができなかった。男か女か、老いていたのか、若かったのか、どんな姿をして、どこでどんなことをしていたのか。家族はあったのか、そ

    balanco
    balanco 2014/05/17
    佐藤徹夜によるゾンビ小説
  • 近藤ようこ先生の「五色の舟」の感想ツイートまとめ

    近藤ようこ先生の「五色の舟」の感想ツイートをまとめたものです。作家や漫画家さんの評価が高いので、その言葉を眺めているだけでも、楽しいです。

    近藤ようこ先生の「五色の舟」の感想ツイートまとめ
  • 黄色い壁紙

    シャーロット・パーキンス・ギルマンの『黄色い壁紙』の翻訳をお送りします。 原文はhttp://www.pagebypagebooks.com/Charlotte_Perkins_Gilman/The_Yellow_Wallpaper/The_Yellow_Wallpaper_p1.htmlで読むことができます。 ジョンやわたしのような一般人が、ひと夏、由緒ある屋敷を借りるなど、そうそうできることではない。 植民地様式の邸宅や、代々続いてきた地所、わたしがよく幽霊屋敷と呼んでいたような家屋は、至福の極みを手に入れたようなものだった――だがそこまで言うのは、運命というものを当てにしすぎるというものだろう。 それでも、屋敷にどこかしら奇妙なところがあるのは、自信を持って断言できる。そもそも、どうしてこんなに安かったのだろう。こんなにも長い間、借り手がいなかったのだろう。 ジョンはわたしを笑うけれ

  • NHK NEWS WEB 芥川賞・直木賞 変化と舞台裏

    第150回芥川賞と直木賞の受賞者が、16日、発表されました。 芥川賞は小山田浩子さんの「穴」、直木賞は、朝井まかてさんの「恋歌」と姫野カオルコさんの「昭和の犬」で、いずれも女性3人の受賞となりました。 およそ80年の歴史をもつ芥川賞と直木賞は、どのように変化してきているのか。 そして、賞はどのような過程を経て決まっているのか。 科学文化部の安井俊樹記者が解説します。 150回の歴史 増える女性受賞者 日で最も有名な文学賞の芥川賞と直木賞。 大手出版社の文藝春秋を創設した菊池寛が、若くして亡くなった親友の芥川龍之介と直木三十五をしのんで昭和10年に創設しました。 今回、芥川賞と直木賞を受賞した3人は、いずれも女性でした。 芥川賞と直木賞は、前回の149回も、受賞した2人がいずれも女性で、150回の歴史の中で、近年、女性の活躍が目立ち、受賞者が増えています。 芥川賞と直木賞の

    NHK NEWS WEB 芥川賞・直木賞 変化と舞台裏
    balanco
    balanco 2014/01/18
    姫野カオルコ狙いすぎだろ
  • 悪魔の恋人

    ここでは Elizabeth Bowen の“The Demon Lover”の翻訳をやっています。「最後のアングロ・アイリッシュ小説家(英語で書くアイルランド人の作家)」と呼ばれるエリザベス・ボウエンは、日でこそあまり有名ではありませんが、19世紀末に生まれ、20世紀半ばにイギリス、アイルランドの両国で、数多くの作品を発表した作家です。 ゴシック・ロマンスの後継者でもあるボウエンの作品には、怪奇色の強い短編がいくつもありますが、この「悪魔の恋人」はそうしたボウエンの短編のなかでも、もっとも有名なもののひとつでしょう。 舞台は1940年8月のイギリス。ロンドンは8月24日、ナチスによる初めての空爆を受けます。9月から格化した空襲は、翌年5月まで続き、ロンドンに壊滅的な打撃をもたらします。田舎の実家に家族と疎開していた主人公のミセス・ドローヴァーが戻ってきた8月末のロンドンは、初めての空

    悪魔の恋人
    balanco
    balanco 2014/01/14
    このボウエン「悪魔の恋人」内容も訳もすごくいい。
  • 注文の多い料理店―院生編|Colorless Green Ideas

    キャンパスの外れをさまよっていた院生が見つけた研究室。そこには「当研究室は貢献の多い研究室ですからどうかそこはご承知ください」という文言。この研究室は一体? 文 二人の若い院生が、いっぱしの研究者きどりで、キャンパスの奥深くの、人気の少ないとこを、こんなことをいいながら、あるいておりました。 「ぜんたい、ここらの研究室はけしからんね。研究費もろくにもってやしない。なんでも構わないから、金の心配なしに、実験をやってみたいもんだなあ。」 「実験に使ったマウスをガスバーナーで焼いて、大学生協で買ってきた焼き肉のタレをつけてべたら、ずいぶん痛快だろうねえ。かりかりと焼けて、それからぐいっとビールを飲めるだろうねえ。」 それはキャンパスのだいぶ奥でした。案内してきた万年助手も、ちょっとまごついて、どこかへ行ってしまったくらいの奥でした。 風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木は