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ROCKに関するbandshijinのブックマーク (104)

  • UNICORN『ヒゲとボイン』深遠な三角、二辺の道

    UNICORN『ヒゲとボイン』 UNICORN『ヒゲとボイン』。1991年のアルバムで、表題曲はアルバムリリース後にシングルカットされた。 2009年の再結成以前のキャリアでは後期、再結成後も含めると中期の作品か。 会社に勤めている男性?の主人公と、若いくせに?ヒゲを生やしている社長と、やせてるくせにボインで主人公の隣席の同僚?の女性の3人が登場する歌。つくり話だとしてもなんだかありそうに思える3人の関係。 この国のいち会社、局所的な箱の中で起こりうる人間関係をミュージシャンの奥田民生らがどうしてこうも能動的に描けるのかと言いたくなる(かくいう私こそ世間を知らないが)。こういう描写ができることと、実体験を人を有するかどうかは必ずしも結びつくことではない。実体験があっても表現できるとは限らないし、なくてもそれができる。 漫画『ヒゲとボイン』 『ヒゲとボイン』は小島功の漫画のタイトル。これが

    UNICORN『ヒゲとボイン』深遠な三角、二辺の道
    bandshijin
    bandshijin 2021/01/24
    奥田民生ボーカルは勇ましく、「向かうところ敵なし」。この力強さと「ひとりの男の煩悩」という題材の矮小さ(あるいは深遠さ)の対比が、この曲の際立ったオリジナリティでもある。ユニコーン『ヒゲとボイン』
  • PUFFY『アジアの純真』めまいの韻律、変声のロック・オーケストラ

    作詞:井上陽水、作曲・編曲:奥田民生。PUFFYのデビューシングル、1枚目のアルバム『amiyumi』(1996)収録。 歌詞 井上陽水の歌詞にクラクラする。なんだこりゃぁ?! 思いつきの万国博覧会か。畳み掛ける押韻が気持ちいい。ごっちゃごっちゃの交雑した映像が頭の中に浮かぶ。 井上陽水といえば『少年時代』を思い出す。あの曲の歌詞のもつ意味のわからなさも非常に音楽的。意味を笑っている(嘲笑している)とも思わない。とにかく、響きであり音の快楽。ことばは意味を伝える側面があるけれど、発音の組み合わせであり羅列であり肉体と空気の振動であり体感であり記憶であり経験。そういうものを私は「詩」と呼ぶことにしている。だから、私に言わせれば『少年時代』や『アジアの純真』は極めて詩的。 個人的に1番好きなのは「ガムラン」が出てくるところ。 “美人 アリラン ガムラン ラザニア マウスだってキーになって 気分

    PUFFY『アジアの純真』めまいの韻律、変声のロック・オーケストラ
    bandshijin
    bandshijin 2021/01/23
    井上陽水の歌詞は幻惑の魔法。奥田民生の音楽でモリモリに、PUFFYの歌でヌケたパワー(脱力力?)を。Vocoderのこと、歌詞に出てくる名詞や地名のこと、PUFFYの周年記念関連の映像のことなど知る。大陸をつなぐ傑作。
  • くるり Jubilee (ジュビリー) 光陰揺らめく、音楽の思想(ことば)。

    真っ白なスタジオで端正ないでたちと、ラフな服装に野外風の背景の対比。マネキンの口にコラージュされたリップシンク、鹿(?)人間が腕を組み優しく揺れるシュールな映像。「タタタタ」と16分音符四つのモチーフ(音型)がドラムス(1:05頃)からエレキギター(1:12頃)へと渡るところがたまらなく好き。 ライブベストアルバム『Philharmonic or die』(2008)にウィーン・アンバサーデ・オーケストラとの共演が収録されている(上のリンク先の動画がそうか)。 後奏が曲の尺の半分ほどを占める。クラシカルな要素をもちつつロックかつポップのスタイルで純粋な音楽として風景・感情・思想・嘆きを描き、大衆の唇に宿る「歌」だと思う。複数のジャンルにくるりという集団が乗っかって雲のように渡っていく、独創的な曲想(くるりの近作に寄せて言うなら、万博的でもある)。『Jubilee』単体についてもそうだし、ア

    くるり Jubilee (ジュビリー) 光陰揺らめく、音楽の思想(ことば)。
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    bandshijin 2021/01/22
    複数のジャンル、時代にくるりという集団が掛かる唯一無二の音楽作品。その根底は最近のくるり作品に寄せて言うなら、万博的? 後奏で主音上に明滅するのはドミナントなのかサブドミナントなのか。壮麗、感無量。
  • ゆらゆら帝国『恋がしたい』感情の海の底

    『ゆらゆら帝国のめまい』(2003)に収録。作詞:坂慎太郎、作曲・編曲:ゆらゆら帝国。 澄み渡るゲストボーカルは武田カオリ。ダブリングしてある。最小限の回数歌っているよう。ワンコーラス目の途中から坂慎太郎も1オクターブ下でユニゾンしたりハーモニーしたり。 ワウペダルでこもり・ひらきを繰り返しシックスティーンを刻むエレキギターはドラムスのハットとコンビネーション。二つのパートがシックスティーンを埋めても、ギターはニュアンスが常にワウワウと移ろうのでぶつからない。ベースは打点の数を抑えている。 ミュートしたトランペットが妖しい。間奏・後奏でミュートを外したオープンなサウンドで高鳴る。 左にコーラスがかったさびしげなギターの単音。歌詞“探しているよ”で、持ち替えたようにピアノが入ってきてアタマとウラを移勢でアクセント。 Ⅰ Ⅵm Ⅱm Ⅴ のコードの繰り返しだけど、「恋がしたい」のフレーズを

    ゆらゆら帝国『恋がしたい』感情の海の底
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    bandshijin 2021/01/20
    高校生のとき知って好きになったゆらゆら帝国。2枚同時リリースのしびれ・めまいより、恋がしたい。平静なボーカルの底に沈んだ感情か。ゲストボーカル武田カオリ。スロー・ミドルテンポでファンクにしっとりと。
  • Radiohead Exit Music(For a Film) ちりつく冷感と緊迫

    Radioheadを知った高校のとき Radioheadが抜群に好き。アルバム『OK Computer』は中でも1番好きだ。『Hail to the Thief』(2003)も好き。『Kid A』(2000)も……。 高校生のときにツタヤでCDを色々借りた。その中にRadioheadがあった。それで1番好きになってしまった。1番好きなバンドを聞かれたら、Radioheadと答えた。今でもそう答えるだろう。初めて知ってもう17、8年になるか。 『OK Computer』はツタヤで借りたのち、あまりにも気に入ったので高校生だった自分の小遣いで輸入盤を買った。中でも抜群に好きな曲がある。4曲目『Exit Music(For a Film)』。いや、『No Surprises』も。あ、『Electioneering』も……(全部好きだ)。 Exit Music(For a Film) 『Exit

    Radiohead Exit Music(For a Film) ちりつく冷感と緊迫
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    bandshijin 2021/01/15
    Radiohead『Exit Music(For a Film)』。映画『ロミオ+ジュリエット』に書き下ろされた。短和音が柔らかく妖しく冷ややか。ブーストしたバンドが煽る後半一度きりのコーラスが劇的。トムのVo.が冴え、浮遊感あるメロトロンが絶妙
  • 細野晴臣『恋は桃色』着床する黴絵

    HOSONO HOUSE 『細野晴臣と彼らの時代』というを買った。先月(2020年12月)の半ば。Twitterで著者のツイートが流れてきて知って、ネットで試し読みをしていいなと思って買った。そこにはある高校生がこのアルバムを購入して繰り返し聴いたというエピソードが書かれていた。その高校生というのも、星野源だった。 『冬越え』という曲についてここ(このブログサイト)で私は書いた。それを収録した『HOSONO HOUSE』は1973年の2〜3月に狭山の米軍ハウスで録られた。細野晴臣の自宅(当時の)である。レコーディング機材をエンジニアの吉野金次がリビングに持ち込んだ。ドラムスやアンプ、ローズピアノを寝室として使っていたベニヤと漆喰の壁の八畳の洋間に運び入れ、そこで収録したという。 このBEIGUN HOUSE…いや米軍ハウスはとっても寒いという。そこでの生活の匂い(のようなもの)が『冬越え

    細野晴臣『恋は桃色』着床する黴絵
    bandshijin
    bandshijin 2021/01/14
    米軍ハウスで宅録された『HOSONO HOUSE』。『冬越え』『恋は桃色』…着床してひろがった黴の菌糸みたいにこう、私の心に棲んでいるの細野晴臣の音楽。
  • 石崎ひゅーい『シーベルト』を聴いたふたつの夜

    石崎ひゅーい『シーベルト』 この曲と私が出会ったのは、代々木のライブハウスだった。あるオールナイトイベントにちょっと出演するのを兼ねて参加した。 そのとき、そのイベントの主宰者だった音楽関係者の人が、ちょうどその時期リリースしたてだった石崎ひゅーいのファーストアルバム『独立前夜』収録の『シーベルト』を一晩中リピートしてかけ流していた。 この曲が彼のいちおしだったのだろう。主宰の彼は私に、曲中のことばを借りて 『お前に※母ちゃんのほうれん草いてぇなぁって言えんのか?』 (※“神様なんか信じないよ 美味しいもんいっぱいべたいな 寿司くいてぇな 母ちゃんが作ったほうれん草のおひたしがいてぇなああ”『シーベルト』より、作詞・作曲:石崎ひゅーい…という歌詞) と絡まれた。彼は酔っぱらっていた。初対面だったし、なんかイラっとした。けど『シーベルト』は一晩中聴いてテンションぶち上げるのにおあつらえ

    石崎ひゅーい『シーベルト』を聴いたふたつの夜
    bandshijin
    bandshijin 2021/01/13
    7年前ライブハウスのオールナイトイベントでヘビロテして聴いた石崎ひゅーい『シーベルト』を再度堪能。彼の歌、ことばとアレンジメントを客観と無心で聴く。これがまたいい。
  • 小山田壮平『恋はマーブルの海へ』とRayonsのシンセサウンド、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の伏線

    小山田壮平が配信シングルをリリース。 テレビ東京ドラマ25『直ちゃんは小学三年生』エンディングテーマ。初回放送日が配信日でした。 一聴して感じるきらめき、絢爛さ。素敵です。 鉄琴のようなオルゴールのような金属的な芯を感じさせるトーンのメロディが間奏や歌のバックに入ります。ポルタメントする厚みのあるシンセ音がウィンウィンと唸ります。ストリングスのサンプリング音のような? オルガンのようなトーンも左のほうから……といった具合に、シンセ(鍵盤類?)の音作り豊か。 Bass:藤原 寛 Guitar:濱野夏椰 (Gateballers) Drums:久富奈良 (Gateballers、ナツノムジナ) Synthesizer:Rayons Recording & Mixing Engineer:佐藤雅彦 (mixmix.) Mastering Engineer:中村宗一郎 (PEACE MUSIC)

    小山田壮平『恋はマーブルの海へ』とRayonsのシンセサウンド、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の伏線
    bandshijin
    bandshijin 2021/01/12
    小山田壮平、恋はマーブルの海へ。シンセを取り入れた音作りの広がり、心象風景が聴き手を映す歌詞。ドラマ、直ちゃんは小学三年生の台本を読み発想したとのこと。彼の作曲と、周りとの関わりが気持ちいいポップに。
  • 矢野顕子『ひとつだけ』 ソングライターは霊媒 〜忌野清志郎と響く歌〜

    矢野顕子『ひとつだけ』を、私は忌野清志郎との共演バージョンでYouTubeで見て知った。 音楽友達と飲んでいるときに、こんなものがあるよとこの曲を教えてもらった。音楽友達には私の知らない音楽をあれもこれも教えてもらっている。音楽の原野で私はいつも生まれたての子鹿だ。か細く震えながら必死で立ち生きていこうとしているが、こうして友達に助けられながら情熱を保ってどうにか歩いている。 ひとつだけ with 忌野清志郎 https://youtu.be/rJcQf1SfDRM 重複になるが、私が最初にこの曲を知ったバージョンがこれ。矢野顕子30周年時に発売した入門者向けアルバム『はじめてのやのあきこ』(2006)収録。『矢野顕子、忌野清志郎を歌う』(2013)にも同一音源(リマスター)を収録。 くどいようだが、忌野清志郎との共演版で私はこの曲を知ったので、初めて聴いた時は彼との共作かと思った。それく

    矢野顕子『ひとつだけ』 ソングライターは霊媒 〜忌野清志郎と響く歌〜
    bandshijin
    bandshijin 2021/01/04
    コード進行、複雑なのだけれどとても奔放に、メロディや音楽が行きたがるほうに導いている。さすが。理屈をのアタマを愛嬌もって笑ってくれているようでもある。矢野が愛で愛が矢野だ…なんて言ってみたくなる。
  • サザンオールスターズ『真夏の果実』 弱起の愛歌

    私は『真夏の果実』を高校生のときにサザンオールスターズのベストアルバム『海のYeah!!』で聴いた。それよりも前にメディアへの露出で1度や2度や3度くらいは聴いて知っていたと思う。 それから大学生のときに手にした斉藤和義の『紅盤』でBONNIE PINKとのコラボーレションでカバーの『真夏の果実』を聴いた。 どんな風に調理しても美味しいのか、この名曲は。 稲村ジェーン 『稲村ジェーン』という映画があると知ったのは最近のこと。 岩崎良美『タッチ』やKinKi Kids、吉田拓郎『全部抱きしめて』の作詞者が康珍化だと知り、彼について調べていると『稲村ジェーン』という映画の脚も担当しているとわかる。 その映画の監督は桑田佳祐。…エッ、映画も撮っていたとは。熱心なファンに「知らなかったの?」と呆れられるだろうか。 桑田佳祐は監督のみならず、音楽、サザンオールスターズとして主題歌も担当している。そ

    サザンオールスターズ『真夏の果実』 弱起の愛歌
    bandshijin
    bandshijin 2021/01/01
    桑田氏は楽譜で音楽を考えないはず。気持ちの良い動機、流れを選び取っていると思う。その正直で誠実な感性が、この「『真夏の果実』を構成するパートすべて(A、Bメロ、サビ)を弱起にする」という結果を生んだ。
  • B’z『いつかのメリークリスマス』 宝箱の中の回想

    はじめに B’z『いつかのメリークリスマス』はミニアルバム『FRIENDS』(1992)に収録されている。未シングル化作品。人気のある曲で、クリスマスシーズンの度に動き、またそれ以外のシーズンにおいてもカラオケで動くという。私もB’zのことを思うと真っ先に思い出す曲のひとつ。 歌詞 情景と抽象の対比 映像を想起させる、情景描写のヒラウタ。対してサビではやや抽象的になり、お互いを引き立てている。そのままドラマの脚になりそう。 『FRIENDS』と『いつかのメリークリスマス』 創意と試みの一端 全体でひとつのストーリー性を持つように書かれた楽曲群がミニアルバム『FRIENDS』であり、『いつかのメリークリスマス』はその中の1シーンを担うものだという。「いつかの」とタイトルにあるところからも、ある年のクリスマスを「回想」した情景や登場人物(の主観)でつづられた1曲。全体のテーマならびにあてがわ

    B’z『いつかのメリークリスマス』 宝箱の中の回想
    bandshijin
    bandshijin 2020/12/31
    B’zの大ファンだった同級生と一緒に楽しんだ『B´z The Best Treasure』。『いつかのメリークリスマス』は私の思い出の1曲。情景描写のヒラウタとサビの抽象が際立つ歌詞。コード進行も相まる。サビ頭の主和音がキマっている
  • ハナレグミ『家族の風景』 キッチンから、言葉と響きの芽吹き

    キッチンは生活の象徴。家族の生命を養う源泉地。それでいて、複数の人数が立つには狭い。だから、ばらばらに、入れ替わりながら誰かがそこに居る。 親父が換気扇の下で吸ったタバコの箱。残った氷が溶けた水が溜まった、飲みっぱなしのウイスキーのグラス。母親と料理の関係を絵にすると、そこにはついフライパンを描き込みたくなるかもしれない。 僕はといえば……家族の目を忍んでこっそりと冷蔵庫を漁りっては何かを口に入れてみたり、収納棚から出してきたお菓子を腹の中に隠して持ち出してみたり。時間を棲み分けて、ばらばらに家族の姿があるのがキッチンの風景にありがちだ(もちろん誰かと誰かが同時に立つ機会もあるだろう。ちょっと特別で、貴重な機会かもしれない)。 家族は、1番すべてをお互いに把握している間柄のようでいて、1番基的なことさえも知らない間柄。毎日決まった時間にだいたい誰かが居る。帰ってはまた出て行く場所。家族と

    ハナレグミ『家族の風景』 キッチンから、言葉と響きの芽吹き
    bandshijin
    bandshijin 2020/12/28
    ハナレグミ『家族の風景』。9th、7th、4th、和声・非和声音間の出入り。メロディの横の動きは家族一人ひとりそのもの。響き合い、あるいは自立の様相みな含めて、「家族の風景」。なんていい歌なのか。
  • レミオロメン『粉雪』長2度の果房

    レミオロメン 粉雪 平歌の歌メロディが低くて落ち着いている。対するサビはスコーンと高い音域をパワーのある声で歌っていてかっこよさ際立つ。 この曲の歌詞を書き取って、コードを振って、弾き語りできるようにコマカイ書き込みをしたノートを作ってみた。 するとなんと、16分音符の移勢が多いことか。前の拍のウラのウラから起こるフレーズがこの曲にはふんだんに含まれている。 サビの“粉雪”という歌い出しのフレーズひとつとってもそう。「こ」が前の小節のいちばんおしりにはみだし、「な」が次の小節のアタマに来ている。音程もそこで5度上に跳躍させている。 このときのルートは(低音)はド(C)で、「な」の発音の音程はラ(A)。長6度の関係。 コードネームとしては簡単にCとみればいい。 このシックスの音は5音音階を感じさせる。なつかしさ・親しみやすさ。 しかもただでさえサブドミナントのコードから始まるサビはエモくなり

    レミオロメン『粉雪』長2度の果房
    bandshijin
    bandshijin 2020/12/25
    レミオロメン『粉雪』。コード、歌メロ、ストリングスの響きあい、溶け合いぶつかりあいのサビ頭。ヒラウタ低くてサビ高い、難易度高しのカラオケモテ曲?
  • 【音楽日記】チューリップ『サボテンの花』 花の咲く場所

    アロエの写真をZineにしたいOさん アロエが大好きだというOさんに出会った。 Oさんはアロエの何が好きって、生え放題になってねじくれまわった生命感が好きなのだ。私の目の前でOさんは自分の体や腕をつかって、路地裏の民家の壁際やプランターをはみ出して生え放題になったアロエの魅力的な姿を精一杯表現してくれた。平日のカフェでスパゲティをべながら私たちはOさんの話を聞いた。たまたま居合わせたというか、流れで一緒になったメンバーで私たちは事していた。 Oさんはそういうアロエの姿を見留めては写真を撮っている。それをZineにしたいのだという。アロエの写真をアップロードしているインスタグラムを私たちに見せてくれもした。画面に並んだアロエの写真を私は美しいと思った。Zineが出来たら私も購入したい。 多肉植物として「肉」の部分の印象が支配的なアロエだけど、花を咲かせるという。あのアロエの肉感なら想像は

    【音楽日記】チューリップ『サボテンの花』 花の咲く場所
    bandshijin
    bandshijin 2020/12/23
    チューリップ『サボテンの花』。財津和夫ソロ版も。ドラマ『ひとつ屋根の下』主題歌でヒットを繰り返す。美しく滑らかなメロディ。広がりあるギターサウンドのイントロ。間奏の低音域ピアノソロ。喪失と希望の歌詞。
  • 赤い公園『西東京』 紫の涙きらめくロック・タウン

    ずっと西東京に住んでいる私。 私の住む地域は昔は保谷だった。となり町は田無。ふたつはくっついて西東京になった。2021年1月で合併20周年だと記憶している。 「西東京」というとき、西東京市のことを指すこともあるけれど、都心(23区)以西をざっくりいうときも使われている表現っぽい。立川や八王子も西東京地域に含められることがあるようなのだ。八王子には西東京バスというバス会社さん?もある。八王子なのに西東京。どっちなんだ。混乱を招きかねない。(誰か困る人?) バンド、赤い公園は西東京地域出身だとかそうじゃないとか。私の記憶によればヒガシムラヤマあたりの高校出身だったような。同級生バンドに先輩の津野米咲が加わって、やがて赤い公園という名のバンドになったという。 だから、たぶんメンバーは西東京市在住とかではないと思う。在住歴くらいはメンバーの誰かが持っていてもおかしくないかもしれないが私は知らない。

    赤い公園『西東京』 紫の涙きらめくロック・タウン
    bandshijin
    bandshijin 2020/12/21
    赤い公園『西東京』。田無タワーが歌詞に登場。ハードコア歌謡? 新青梅街道をチャリで爆走するスピードが伝わってくる。轟音、混沌におかしみと悲哀。規格外の魅力が2分間に詰まっている。
  • 細野晴臣『冬越え』 厳冬と暖話 〜在りし日の米軍ハウス〜

    これの歌詞に、「くしゃみをひとつ」というフレーズが出てくる。 どこかで出会ったことがあるなぁ、この句。 ちょっと記憶をさぐる。すぐ思い出した。細野晴臣『冬越え』だ。 細野晴臣 冬越え 『冬越え』は細野晴臣のアルバム『HOSONO HOUSE』(1973)に収録されている。 1972年6月に細野晴臣は白金台の実家を出て、狭山のアメリカ村に移住。翌年の2〜3月に、ここでホーム・レコーディングされたのが『HOSONO HOUSE』。 彼の住んだ建物はいわゆる米軍ハウス。建て付けの悪さなのか、窓からのすきま風がとても寒かったらしい。彼は石油ストーブで冬を乗り越えた。毎日給油と掃除をしたという。夏にここへ移り住んで、冬を経験。新年を迎え、2〜3月にこのアルバムのレコーディング。録音に入る直前の冬の体験がこの曲の発想元になったんだろうか。 歌詞のおかしみ そんな細野晴臣の人物史を少しでも踏まえて鑑賞す

    細野晴臣『冬越え』 厳冬と暖話 〜在りし日の米軍ハウス〜
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    bandshijin 2020/12/20
    細野晴臣の歴史を踏まえるといっそう可笑しくて素敵な歌詞。とにかくひたすらに寒かったのだろう。垣根のない米軍ハウスでの人の交流は温かかったかもしれない。「紅茶」がその象徴か。細野晴臣『冬越え』
  • 奥田民生『まんをじして』 何歳でも貫禄

    『HR』より こんな感じだったか。懐かしいというか普通に新鮮。生瀬勝久氏よ。三谷幸喜脚・演出、香取慎吾主演。2002年〜2003年放送。定時制高校が舞台。中村獅童、篠原涼子…(うわぁ)。 まんをじして ライブ音源 まんをじして LIVE/2015.11.3@市川市文化会館 大ホール スライドギターの刻みのオープニング。ドラムのシックスティーン。ピアノが右にいる。中央付近にベース。 間奏ソロはピアノ。“サイトウユウター!”と奥田民生。(斎藤有太) ドカドカしたエンディングのドラムソロ。独特のバチバチした音はシックスティーンウラに手で持ったスティックでバスドラムを加えているのかな? 最後に音を引っ張ってマワすとき、ティンパニーみたいな太鼓の音が聴こえる。セットリストにこれを使う曲があったのかな?(セットリストはおおむねこちらのライブ盤にあるような感じか。http://www.billboar

    奥田民生『まんをじして』 何歳でも貫禄
    bandshijin
    bandshijin 2020/12/19
    「意味」をわらうかのような、遊びに満ちた奥田節の歌詞はかの日も好調。シングル『まんをじして』、同曲を収録したアルバム『E』は2002年リリース。奥田民生氏は当時37歳。貫禄よ。
  • ECHOES『ZOO』波紋の隅でABCD

    この曲がリリースされたときの私は2歳とかそこら。 ECHOESの音源がこの曲のイメージとして浮かぶけれど、先にリリースされたのは川村かおりのシングル、アルバム『ZOO』(1988)。翌年、曲の提供者である辻仁成らのバンドECHOESもセルフカバーをリリース。 https://www.nicovideo.jp/watch/sm851714 MV 次々に登場する動物の名詞。その特徴や習性。それが人間の私たちの特徴や習性とこんなにも通ずるところがあったなんて。 サウンド https://spotify.link/2YbSCHE51Cb 洋楽っぽいクールなサウンドだと感じるのは引き締まったドラムスの音の印象が大きいんだろうか。ベルの音を模したシンセ(?)やオルガンが盛り上げる。アコースティックギターが支えるベーシック。ピアノも加わる。間奏のハーモニカは下属調キー(Cに対してF)のテンホールズを用い

    ECHOES『ZOO』波紋の隅でABCD
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    bandshijin 2020/12/17
    ABCメロがあって「愛を下さい…」はDメロ? 世のヒット曲にはコンパクトな構成も多いけど、『ZOO』は大きいサイズとボリュームを聴かせる稀有。歌詞の妙、普遍的なサビのフレーズが広く受け入れられた結果だろうか。
  • 星野源『ただいま』 顧みる郷土

    『ばかのうた』『ただいま』との出会い直し 星野源、細野晴臣の共作 俳優もやるし踊るし、インストバンド・SAKEROCKのメンバー。その人が今度はソロアルバムで歌ったと。そんな星野源の新しさを当時の私は過小に受け取ったらしい。2010年に『ばかのうた』が出て、身近な人にすすめられて私はそれを聴いた。冒頭の数曲、『ばらばら』『グー』などから受け取ったいくつかの印象。素朴で土っぽい匂いがした。それらのみで、なんとなくそのアルバムをやりすごしてしまっていた。 先日、ツイッターを見ていたら気になるの情報が流れてきた。新しく出るものだ。それも今月17日(2020年12月)発売。『細野晴臣と彼らの時代』という。 「細野晴臣と彼らの時代」、発売まであと1週間になりました。こちらから冒頭の10ページを試し読みしていただけます(「立ち読みできます」を開いてください)。ご興味とお時間のある方はぜひ、ちらりと

    星野源『ただいま』 顧みる郷土
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    bandshijin 2020/12/16
    星野源のファーストアルバム『ばかのうた』に彼と細野晴臣の共作『ただいま』が収録されている。歌詞の乗せ方やちょっとひねったコード。普遍だけど特別な、到達点からふるさとを顧みるような再出発の歌。
  • 伊藤銀次(ナイアガラ・トライアングル)『幸せにさよなら』 決別の歌、人生の面(ツラ)

    伊藤銀次作詞・作曲『幸せにさよなら』。 https://www.nicovideo.jp/watch/sm23434366 私はこの曲をかもめ児童合唱団によるカバーで知った。彼らのアルバム『インターネットブルース』に収録されている。 原曲は大滝詠一・山下達郎・伊藤銀次によるナイアガラ・トライアングルのアルバム『Niagara Triangle Vol.1』(1976)に収録。『幸せにさよなら / ドリーミング・デイ』としてシングルカットされている。 私が大好きなのは曲が1分を過ぎたくらいの頃からのCメロ。コード進行に「ナイアガラ感」というか、たとえば具体的にいうなら大滝詠一『スピーチ・バルーン』のコーラス部のマイナーコードの使い方のようなセンスの妙を感じる。 こういうCメロのようなふわっと雰囲気の変わる部分は多くの曲ではもうちょっと、曲全体の尺に対して後ろの方に置かれると思う。こんなに前半

    伊藤銀次(ナイアガラ・トライアングル)『幸せにさよなら』 決別の歌、人生の面(ツラ)
    bandshijin
    bandshijin 2020/12/15
    伊藤銀次(ナイアガラ・トライアングル)『幸せにさよなら』。かもめ児童合唱団のカバーで知った。伊藤銀次氏はウルフルズのプロデュースなどでも知っていたけど、ご自身も歌手、シンガーソングライター。素敵。