京都大学の待鳥聡史先生に『民主主義にとって政党とは何か』を頂きました。ありがとうございます。政党についての歴史的・実証的研究を踏まえたうえで,日本を対象に戦前から現代にかけてその果たしてきた機能を確認し,将来の政党の役割を論じています。こういう大きな見取り図のもとで議論されるのはさすがだなあと思いました。政党については政治理論の研究者による議論は必ずしも多くないと思いますが,実証研究に関心を持っている側から政党についての政治理論(たとえば「情報縮約のための政党」とか)が提起されているわけですから,ぜひ応答(?)を読んでみたいものだなあと思ったところです。 しかし戦前の政党政治から議論するというのはなかなか大変だったと思います。私自身もいつか戦前の地方政治の話をしてみたいと思ってるのですが,地方になると結構気の遠くなるような話で…。本書だと,元老の役割とか議院内閣制じゃなかったこととか,政治